【2017年4月】青森・岩手Ⅰ(下北半島前半)
きっかけ
八戸に出張がありました。
都合の良いことに、金曜日に出張です。もう旅行するしかありません。
12月に青森に行ったとき、下北半島に行けなかったので、ここは当然下北半島です。
ウキウキと観光場所を探していた検討していると、メインの恐山がまだ閉山していることに気付きました。
まじで萎えました。でも、もう下北半島気分でしたし、色々と考えると尻屋崎にも行けないという結論になったので、いつかセットで行こうと思います。
下北半島
青森県の右上にまさかり型の突起がありますが、この突起部分が下北半島です。
電車は柄の左側部分から柄の付け根部分までしか通っていません。日本の中でもかなりの秘境といっていいでしょう。
北限のニホンザルが有名です。人間を除いた霊長類がいる世界最北の地域です。
かっぱの湯
下北半島にあるむつ市には、奥薬研温泉という温泉があります。そして、奥薬研温泉には、「かっぱの湯」という無料の公衆浴場があります。
まさかり部分の真ん中なら少し北にあります。
4月初旬~11月初旬限定で入れます。冬は無理です。あと、混浴ではなく、別浴です。
男性利用時間 7時~9時、11時10分~13時、15時10分~17時
女性利用時間 9時10分~11時、13時10分~15時
となっています。
温泉への入口はこんな感じなので、かなり分かりづらくなっています。
下北駅でレンタカーを借りて、「かっぱの湯」に着いたのは10時30分でした。ちょうど女性利用の時間ですね。
11時10分まで車で待つことにしました。文明の利器であるスマホを使って時間を潰そうとしたのですが、驚くべきことに圏外でした。
どうせ入っている人なんていないんだろうなぁと思いながら、30分くらい待ちました。
11時10分になったので、突撃します。
さっきの写真を更に進むと、階段があり、簡易脱衣所を抜けると温泉です。
思ったとおり、温泉には誰もいなかったので、写真をパシャり。
温泉は澄んだ青緑色をしていました。綺麗でした。
温泉からは大畑川を見下ろせます。これで無料というのはすごいです。
一人で景色を堪能しながら温泉に浸かっていると、おじいちゃんが入ってきました。
「どこから来たの?」というお決まりの質問がなされ、そこから少し話をしました。
この温泉は昔は混浴だったらしく、若い女性は一人でフラッとツーリングで来たりもしていたらしいです。
素晴らしい時代だと思います。
大 間
大間は本州最北端の町です。まぐろの町としても有名です。
テキトウな場所に車を停めて、散策しました。
うねる海とカモメと灯台とそこはかとなく漂う寂しさ。
中々良いじゃないですか!!
更に歩くと、有名なモニュメントがありました。
まぁ、そんな感動的なモニュメントというわけでもないので、「あぁ、これね」という程度の感想です。
さて、お待ちかねのまぐろを食べます。
大間はウニも有名ですし、食べたくなってしまったので、ウニまぐろ丼を注文しました。
ハードルを上げに上げすぎていたため、期待を超える程ではありませんでしたが、普通にとても美味しかったです。
【2016年12月】岩手・青森・秋田・山形Ⅷ(山寺)
いざ山寺
蔵王温泉の旅館のマイクロバスで山形駅まで戻り、そこから山寺駅に向かいます。
友人は前日よりも少しは回復していましたが、やはり本調子ではなさそうです。しかも、外は雨が降っています。雨の中で1000段以上もの階段を登るなんて、少し酷かもしれません。しかし、友人は「11時間寝て回復したし、俺も山寺行くわ」という謎発言。
そこで止めるのが本当の友達なのかもしれませんが、自分本位の人間なので、「よっしゃ、じゃあ行こう!」と言いました。
隣駅の「面白山高原駅」が気になるところです。
駅舎は趣があります。
山寺駅に降りると、すぐ目の前に山が聳えていました。雨が降っており、山はところどころ霧が立ち込めており、中々雰囲気があります。嵐の中で熊野古道を冒険したことを思い出しました。
山 寺
この階段を登っていくと、根本中堂(本堂)があります。
根本中堂
この本堂は、国の重要文化財に指定されており、ブナの建造物で日本最古とのことです。
ここらへんは、お寺の階段という感じであまりしんどくありません。ただ、ここらへんは投入堂のときもそんな感じだったので、油断はできないんですけどね。100段くらい登ったあたりで、受付がありました。
山 門
鎌倉時代に造られたと言われる山門が本格的な山寺観光の入口になります。ここで拝観料として300円払いました。ついでに、長靴も借りました。タダでした。素晴らしいです。
さ ん ど う
さぁ、山道の階段を登っていきます。期待していたのは、雪に覆われている冬の山寺だったのですが、雪はほとんどありませんでした。ていうか、山形は全般的に雪がなかったので、がっかりです。青森とか乳頭温泉郷を見習ってほしい限りです。
とは言っても、かなりいい雰囲気の山でした。
そんなこんなで山寺の山道を登っていきますが、思ったほどきつくありません。投入堂には遠く及ばず、熊野古道や金毘羅さんの方がきついんじゃないかと思うくらいです。友達もスイスイ登っていきます。
でも、平日の日中でしたので、観光客は少なく、閑さを感じることはできました。まぁ、季節的に蝉の声がしみいることはなかったんですけどね。
こう書くと、他の山道観光地よりも劣る感じがしますが、一つだけ面白いと思うこともありました。
それは、岩です。
山肌が巨大な岩でできている部分が何箇所もあります。ただの岩ではなく、ボコボコと穴があいており、とても面白かったです。芭蕉が句でわざわざ「岩」に言及したのも頷けます。
仁 王 門
駅から1時間くらい、石段を1000段以上登ると、仁王門に着きました。
江戸時代の終わり頃に再建された門です。
ここらへんまで来ると、それなりの達成感を感じますが、中間地点という感じです。
奥 の 院
仁王門から10分ちょっと登っていくと、奥の院に到着です。
ここが山寺のゴールらしいです。まぁ、山寺と言われて思い浮かべる景色は違う場所なので、感動はそこまでないんですけどね。
奥の院をちらっと見て回った後は、少し引き返して、ガイドブックなどで良く見る光景を見に行きます。
納 経 堂
「おぉ、これこれ!」と思いながら、写真を撮りまくりました。
普通に晴れていれば、眼下に絶景が広がっているのですが、残念ながら霧が立ち込めていました。
この赤い建物は、写経を奉納とする納経堂で、山内で一番古い建物とのことです。
五 大 堂
納経堂から更に進むと、展望台みたいな場所がありました。開山から30年後に建立された道場である五大堂です。
霧が薄くたちこめていましたが、なんとか下の方を見ることができました。なので、ギリギリ見晴らしは良かったと言うことができるでしょう。晴れていたら、もっと良かったんでしょうけど。
それなりに満足して、下山しました。
帰 路
そして、我々は山形駅から新幹線で帰路につきました。
1週間つかって東北一周旅行とか、贅沢ですが、山形旅行に関してはもう少しやりようがあったのではないかと反省しています。
もしもう一度山形旅行を組めるのであれば、
最上川の川下り→最上川近辺散策→銀山温泉→蔵王温泉→樹氷→山寺
というプランで行きたいところでした。
制覇の進捗状況
〈北海道〉
道央
〈東北地方〉
岩手県、宮城県、青森県、秋田県、山形県
〈関東地方〉
群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
〈甲信越・中部〉
山梨県、長野県、新潟県、静岡県、岐阜県、愛知県
〈北陸〉
石川県、富山県、福井県
〈近畿〉
大阪府、京都府、奈良県、三重県、兵庫県、和歌山県、滋賀県
〈中国〉
岡山県、広島県、山口県、島根県、鳥取県
〈四国〉
愛媛、香川、高知、徳島
〈九州〉
福岡、熊本、鹿児島、宮崎、大分
43/47都道府県
残すは、福島、佐賀、長崎、沖縄です。
制覇が見えてきましたね。
【2016年12月】岩手・青森・秋田・山形Ⅶ(移動と温泉)
乳頭温泉の朝
朝起きて、朝食を食べてから、また温泉に行きました。前日の夜にまた雪が降ったので、少し雪の量が多くなっていました。
温泉から上がり、チェックアウトして、田沢湖駅行きのバスに乗ります。
バスを待っている間、周囲をウロウロしてみたのですが、泊まっていた宿の近くに2つ宿があったので、そちらの温泉にも巡り湯に行けば良かったと少し後悔しました。
さらば、大釜温泉旅館!!
駅まで向かう道は、完全なる山道です。雪は降り積もり、朝日に照らされた雪はダイヤを散りばめたようにキラキラしていました。空気は澄んでおり、遠くに見える白い山も風光明媚です。バスから見える景色は絶景でした。
ひたすら移動の6日目
予定時刻通り、田沢湖駅前に着き、大曲行きの電車に乗れました。今回は前日のようなヘマはせずにちゃんと電車に乗れました。
1時間ほど電車に揺られ、大曲まで行きます。田舎の電車は接続が悪いので、大曲で1時間ほど時間を潰します。その後、2時間かけて、新庄駅まで行きます。そして、また1時間ほど待機です。
接続悪すぎです。なんなんだ、のんびりしすぎだろ。
ただ待っているのもあれなので、お昼ご飯を食べに行きました。色々な食事処がありましたが、あえて場末の食堂っぽいところをチョイスしてみます。
新庄市のご当地グルメといえば、「とりもつラーメン」らしいです。折角、色々と宣伝されているし、値段も破格の550円だったので、注文しました。友達はなぜか地獄ラーメンの大盛りを頼みました。
「とりもつラーメン」は、ラーメンの味自体は普通でしたが、もつがとても美味しかったです。今まで食べたもつの中で一番でした。今回の旅は場末っぽいところがよく当たります。
友達は、地獄ラーメンを食べながら、「辛い」、「量が多い」と嘆いていました。「全て想定を上回っていた」と言いました。アホです。
蔵王温泉
本当は銀山温泉に行きたかったのですが、予約が取れなかったので、今回は蔵王温泉に行きます。
山形駅から無料の送迎バスが出ているので、それに乗り、蔵王温泉に向かいます。
蔵王温泉も、酸ヶ湯温泉や乳頭温泉郷のように山道を登って向かっていくので、雪が深くなっていくことを期待したのですが、全然深くなりません。これには悲しみを覚えました。
蔵王温泉の温泉街に着いても、雪は全くありません。これは想定と違います。全然違います。話が違います。
ですが、バスから降りると、硫黄の匂いが一気に鼻に押し寄せてきました。これは酸ヶ湯温泉や乳頭温泉郷のときと同じです。
あぁ、温泉に来たんだなぁとしみじみ思い、機嫌が直りました。
そのまま旅館に入ると、なんかいつもと違って豪華です。1万円で泊まれる旅館のクオリティではありません。素泊まりならこのレベルで1万円はありえますが、今回は夕食も朝食もついています。
温泉についても、冬季の間は露天風呂が閉鎖されているという悲しみはありますが、それなりのクオリティです。
食事もべらぼうに美味しいですし、量も結構ありました。山形の郷土料理がうますぎます。芋煮の破壊力たるや!蔵王牛の旨さたるや!
強いて言えば、旅館がかなり広く、増築に次ぐ増築をしたのか、造りが迷宮のようになっており、我々の部屋がその最果てにあるというのが難点というくらいです。
ですが、かなり満足です。
公衆浴場の無料券も貰えるので、今日は2つの公衆浴場に入りましたし、旅館の温泉も2つ入りました。
蔵王温泉の泉質も、とても良いです。
この日は、移動が多かったですが、4つも温泉に入っているので、ハッピーでした。
ただ、友達が旅館に入ってから体調を崩したので、美味しい食事も全部堪能することができず、可哀想でした。
昨日の宿は、秋田の山奥だけあって、かなり寒かったからですかね。
蔵王温泉の朝
翌日になっても、友達の体調は芳しくなく、朝ごはんはしんどいと言ったので、一人で寂しく食べました。
部屋に戻ると、友達が「おしっ、ちょっと温泉行ってくるわ」と言いながら、起きだしました。体調を崩しているのに、わざわざ体力を削りにいくとか、不安しかないんですけど。
でもまぁ、温泉に来てるのに、思い立ったときに温泉に入らないなんて嘘なので、とりあえず「え、大丈夫?」とは聞くものの、本気ではとめませんでした。
蔵王では、温泉の他に樹氷を見に行くことも目的だったので、こちらはこちらでカウンターに行き、「今って、樹氷できてますか?」と確認に行きました。
すると、「いや、今年はまだですねぇ」という残酷なお知らせが・・・。
八甲田山では強風のためにロープウェーが稼働しておらず、蔵王では樹氷ができていない・・・。
強風でどっちかが駄目になることは想定していました。また、12月なので、末とはいえども樹氷ができていないことも想定していました。しかし、二つ用意しておけばどちらかで見られるだろうと考えていたわけです。まさかその考えが安直だったなんて・・・。
まぁ、ないものは仕方ありません。体調の悪い人間を蔵王山の山頂まで連れて行くのもしのびなかったしので、今回は諦めました。またいずれ機会があるでしょう。
蔵王といえば、御釜も有名だったので見たかったのですが、こちらは冬季には閉鎖されている模様。恐山しかり、白神山地しかり、冬季閉鎖のところが多すぎませんかね。ここらへんも、いずれ機会があれば観光したいものです。
移動が多かったので、写真が少ないです。温泉に入ったその足で食事だったので、食事の写真も撮れませんでしたし。反省が多いです。
【2016年12月】岩手・青森・秋田・山形Ⅵ(秋田)
大 曲
大曲は日本三大花火大会の一つが開催される町なので、冬に行ってもこじんまりとした町に過ぎません。
ただ、次の日に角館に行くことを考えると、中々ベストな中継地です。
少し歩いたところのビジホに予約をしていたので、そこに入っているレストランで夕食もいただきました。
郷土料理の納豆汁が絶品でした。
そんな、クリスマスイブの一人旅です。
本日で一人旅終了です。
角 館
武家屋敷観光
角館は、秋田県仙北市の地名ですが、重要伝統的建造物群保存地区の名称としての印象の方が一般的に強いと思います。
武家屋敷がいっぱいです。春の桜、夏の青葉、秋の紅葉、冬の雪景色といつでも見どころがあるため、どのシーズンに行っても素晴らしいです。
そんな角館で友達と合流しました。友達も年末の休暇があったため、この日から一緒に旅行をしてくれることに。
冬ということで、我々は雪景色の武家屋敷を堪能しようと思ったのですが、雪はありませんでした。青森のようにはいきません。
雪のない冬の武家屋敷なんて、あまり面白味がありませんでした。
おそらく、一人で来ていたら、ふーんと思いながら、有料の武家屋敷には入らずに、無料の武家屋敷や通りを見て終わらせたのでしょうが、友達が有料の武家屋敷(青柳家)にも入りたがったので、同行して入ることにしました。
青柳家は、500円を取るだけあって、さすがに広かったです。色々な武具なども展示しており、よくもまぁ今日まで保管していたよと感心しました。
ひとしきり観光して、武家屋敷の通りを歩いていると、地元のおじさんが「写真をとってあげよう!」と声をかけてくれたので、お言葉に甘えました。自撮りが嫌いなので、今のSDカードには1枚も自分の写真はなかったのですが、初めて自分の写る写真が追加されました。
その後、食事処で秋田名物の稲庭うどんときりたんぽを食べました。思った以上においしかったです。
路頭に迷う
稲庭うどんを食べていると、電車の時間が迫っていることに気付きました。「やべっ」と言いながら、バタバタとお会計を済まして、早歩きで駅に向かいます。
しかし、歩いていては間に合わない段階にまできており、残り600mの駅までの道をダッシュしました。ものすごい久々にダッシュしました。
ゼイゼイ言いながらもなんとか駅に着き、急いで改札まで行くと、向かいのホームに乗るべき電車が既に来ています。ヤバいと思いながら、階段を登り、向かいのホームまで行くと、目の前でドアが閉まりました。
ここが都会であれば、「あーぁ、あと10分待つか」という気分で済みますが、ここは秋田です。ど田舎です。次の電車は3時間後です。
「まじ、どーするよ」と作戦会議が繰り広げられます。一人旅であれば、このまま3時間待っていたでしょう。しかし、今回は優秀な友人がいます。
「バス使えない?」
なんということでしょう。その手がありました。急いで調べると、1時間後に我々が行こうとしていた駅まで行くバスが角館駅前に来ます。
持つべきものは友達です。
ちなみに、久々の全力ダッシュがたたり、ここから30分くらいの間、ずっとゼイゼイ言っているか、咳き込んでいました。
運動しよう・・・と思いました。
田 沢 湖
そんなこんなで1時間ほど待って、バスで田沢湖駅前まで行きました。その後、バスを乗り継いで、田沢湖まで行きました。田沢湖駅は、田沢湖駅と銘打っているにもかかわらず、そこからバスで数十分もかかる場所にあります。驚きです。
次のバスまで1時間くらいあったので、友達と2人で田沢湖の周りを歩くことにしました。
田沢湖は、秋田有数の観光地のはずなのに、人っ子一人いませんでした。静謐そのものです。しかし、その静謐さが田沢湖をより神秘的にしているように感じました。
湖の対岸には、雪山が広がっていました。湖面は波打ちながら、空と雪山をうつします。湖は海のように青くはないので、ただただ綺麗にうつします。波打つ鏡のようです。
あまりに綺麗なので、ちょっと歩いては写真を撮り、歩いては写真を撮りということを繰り返すので、全然進みません。
それでも、20分くらい歩いて、来た道を引き返します。さっきも通ってきた道なのに、また写真を撮ります。
今回の旅行で一番多いのは田沢湖の写真だと思います。
あの有名な金の像は真逆の方向で歩いていくのが億劫だったので、なしの方向で。
乳頭温泉郷
田沢湖をある程度進んだところで引き返して、バスに乗り、向かうは今回の旅のメインの一つ・乳頭温泉郷です。
田沢湖から更に40分ほどバスに揺られます。どんどん山に入っていくので、楽しいほどに雪が深くなっていきます。八甲田山なんかよりも深くなっていきます。
やっと乳頭温泉に着くと、ひたすらの雪景色でした。
これだよ、これ!!と拍手喝采です。
宿泊した宿の大釜温泉旅館は、バス停からすぐの所にありましたが、秘境の温泉宿感が半端なかったです。
チェックインして、すぐに温泉に入りました。露天風呂は、完全なる雪見風呂でして、素晴らしかったです。求めていたものをついに手に入れた喜びに溢れます。
(出典:ryokan.glocal-promotion.co)
さすがに、温泉の写真は撮れませんでしたが、まさに引用した写真のような感じでした。
一旦上がって、食堂に行くと、部屋ごとにテーブルわけがされていました。友達と二人で食堂に行ったのですが、宿のおばちゃんから、「あら、この部屋は男性が二人なのね」とニヤニヤ嫌味を言われました。
「そーなんですよー、来年に期待ですね」と返すと、「じゃあ、来年は、『あら、今回は女の子と来れたのね』と言わせてね」と切り返されました。おばちゃんには敵いません。
こんな秘境っぽい宿で、翌日が月曜日でも、お客さんは5組いました。カップルが2組、家族連れが1組、一人旅の若い男性が1組、そして我々。
一人旅の若い男性とは、仲良くなれるだろうなと思いました。
食事はおいしかったです。秋田の郷土料理がうますぎます。きりたんぽ最高!
食事の後は、再度温泉に浸かりました。1時間くらい入っていたでしょうか。温泉自体は熱いのですが、外は寒いので、いくら入ってものぼせないんですよね。
今まで人生の中で最高の温泉と言っても過言ではありません。
ちなみに、夜になると外気温が氷点下になったのか、温泉に入っているだけで、髪は凍りましたし、放置していたタオルも凍りました。ヤバいな。
ていうか、クリスマスに男同士で温泉旅行というのも、大概にヤバいな。
【2016年12月】岩手・青森・秋田・山形Ⅴ(五能線)
五 能 線
五能線は、秋田県の東能代駅と青森県の川部駅を結ぶ路線です。 川辺駅側は奥羽本線の弘前駅まで直通しています。
青森の日本海スレスレを運行しますし、世界遺産である白神山地の傍を通ることもあり、住民の足としての機能というよりは、観光客のための路線という感じがあります。
そのため、一度は乗ってみたいローカル線として人気を博しています。
実際、「リゾートしらかみ」という観光列車も運行していますが、今回は時間の都合もあって乗りませんでした。
白神山地には行きたかったのですが、残念ながらシーズンオフということで入ることはできませんでした。
弘 前 駅
予定通りホテルを出て、弘前駅に着き、窓側を陣取ることができました。
東北の鈍行はボックスシートが少ないですが、五能線にはボックスシートがちゃんと用意されていました。
日本海を間近で見るには、進行方向右側に陣取らなければなりません。次の駅の方向を確認し、進行方向右側に陣取ったのですが、ネットで地図を見ていると、海に出る前に進行方向が変わることに気付き、これはいけないと思って、逆方向に座り直しました。
さて、出発です!!
弘前駅から風合瀬駅まで
弘前駅から鰺ヶ沢駅周辺までの内陸部分は楽しめないだろうと思っていたのですが、走り出していきなり広大なりんご園が現れるたので楽しかったです。
りんご園の中を走っていきます。
それだけでなく、リンゴ園を抜けても、広大な田んぼや原野が雪化粧をして広がっているので、東北の冬の原風景を堪能できます。
ていうか、内陸長いです。1時間以上内陸です。そろそろ飽きたなと思っていた頃、やっと沿岸に出ました。
ちょっとテンションがあがりましたが、まだ海までは距離がある感じがします。
冬の日本海らしいうねりが上がっていました。
しばらく進むと、五能線有数の観光地である千畳敷に着きました。
観光地ということで、一瞬だけ降りてみようかと思いましたが、外は猛吹雪ですし、一度降りたら、次の電車は2時間後とかそういうレベルなので、当然降りないですよね。
千畳敷駅周辺はひたすら千畳敷の景色が広がっていました。千畳敷を飲み込む冬の日本海が強いです。
それにしても、日本には千畳敷という名の観光地が一体いくつあるのでしょうか。
風合瀬駅から深浦駅まで
風合瀬駅以降は、基本的に線路の方が国道よりも海側になるので、もんすごい沿岸スレスレになります。雪も吹雪いていますし、高い波もガンガンきてました。
これだよこれ!!津軽の厳しい冬の日本海!!これを見に来ました!!
風合瀬駅の次の駅は驫木(とどろき)駅です。海が見える掘っ立て小屋のような駅で、青春18きっぷのポスターにも起用されたことがあるため、秘境駅としても人気です。
ここでも降りようかと思いましたが、まぁ、吹雪の中では無理ですよね。ちなみに、驫木駅に停車している電車の海側の景色はこんな感じです。
この時間帯が一番吹雪が強くて、イメージしていた冬の日本海の厳しさを感じることができました。
いやー、楽しいなぁと思うのも束の間、終点の深浦駅に着きました。
ありがとう五能線!また数時間後に会おう!!
不老ふ死温泉
本当は、五能線に乗って、不老ふ死温泉のある艫作(へなし)駅まで行きたかったのですが、ちょうど良い電車は艫作駅の2駅手前の深浦駅が終点でした。
次の電車が来るまでは1時間以上あります。深浦駅は港町なので、散策しがてらここで海鮮丼みたいのを食べようかと思ったのですが、あまりに雪がひどかったので、散策はなしに。
どーしよーかなーと思ったのですが、ただ待つのもあれですし、タクシーに乗ってタクシーに乗って不老不死温泉に行くことにしました。
深浦駅はさびれたところなので、タクシーがいるのかと不安に思ったのですが、なんとか一台捕まえることに成功しました。
よくよく考えると、6~7kmくらいあるので、どのくらいの値段になるのだろうと冷や冷やです。タクシーの運転手と話しながらも、メーターから目が離せませんでした。
結局、前日のバスの料金より500円以上高くつきました。前日のバスなんて、往復の料金なのに。バスは八甲田山の山頂近くまで行ったのに。
3000円近くかけて、不老ふ死に到着しました。
不老ふ温泉は茶褐色の温泉で、日本海ギリギリに設置されている瓢箪型の露天風呂が有名です。
(出典:https://wow-j.com/jp/Allguides/tohoku/sightseeing/01159_jp/#1)
上記の温泉が非常に有名です。ですが、海が荒れているとのことで、露天風呂は封鎖とのこと。
3000円近くかけてタクシーに乗ってきたのに・・・。
受付のお姉さんは、「3階にあげれば、展望の温泉がありますので」と慰めてくれました。
とりあえず、1階にある内風呂に入りました。不老不死温泉は茶色に濁っている温泉なので、まぁ、珍しいっちゃ珍しいですが、有馬温泉にも同じような温泉はあります。
両方の温泉の特徴は、茶色に濁っているだけなのに、それを金色と表現しちゃっているところですね。
まぁ、泉質としては悪くないなぁと思いながら、1階の内風呂から上がって3階に向かいます。
3階の風呂も内風呂と大して変わりませんでした。強いていえば、3階にある分、多少は眺めが良くなったくらいでしょうか。でも、ガラスは曇っていますし、微妙だなぁと思っていたところ、ガラスごしに、なんか3階と同じ高さの露天風呂がみえます。
あれ、あの露天風呂行けるんじゃね?と入口を探してみると、ありました。テンション上がりながらドアを開けると、とんでもない寒さの北風が。
ウワッと思いながらも、露天風呂に浸かります。室内の温泉よりは多少ぬるめですが、それでも露天風呂の方が楽しいです。眼下には、日本海が高い波をうねらせています。潮騒どころか、海のうねり声が聞こえてきます。
露天風呂には屋根が付いていましたが、それでも雪がガンガン入ってきます。顔面が冷たいです。十分くらい入っていると、耐えられない感じになります。
露天風呂には、他にはもう一人おじさんがいました。そのおじさんが出て行ったので、そちらに行ってみました。すると、そこは雪があまり入ってこないですし、温泉が出るところに近かったので、温度も高めです。
そこで温泉の縁に手を掛けながら、海を眺めます。最高です。多分、30分くらいそうしていました。
気温がかなり低いのでのぼせないんですよね。ずっといれるなぁと思ったのですが、バスの時間があるので、あがります。思った以上にバスにギリギリになってしまって、焦りました。
あの露天風呂には入れませんでしたが、楽しめたので、まぁ良しとしましょう。
艫作駅から東能代駅
なんとかバスに間に合い、五能線にも乗りこめました。雪も多少おさまり、沿岸の眺めも相変わらず素晴らしいです。
風光明媚とはこういうことかと、しみじみします。
これが車窓の風景というのが、素晴らしいです。
五能線、楽しかったです!!
東能代駅
駅に降りると、みんな待合室に移動します。ちょっとついていくと、結構な人がいました。能代高校の空手部の女子高生たちがべらぼうに可愛かったです。秋田美人やばい。
思えば、お昼ご飯を食べていなかったので、まずは昼飯と思い、東能代散策を始めましたが、まじで何もない。強いて言えば、元気工場健康館という謎のディスカウントショップしかありません。
もっと先に行くと、やっとハンバーグ屋さんを見つけました。小走りで向かいましたが、ランチタイムには遅く、ディナーには早いということで、閉まっていました。
絶望感ったら、ありゃしません。あ、ちなみに、この時点で15時40分です。
幹線道路なのに何もないとか・・・。
それでも良く見回すと、ほっかほっか亭の看板が!!
走りますよね。安く手軽に食べられるのがいいですよね。
昔、ほっかほっか亭に行ったときは、従業員が何人か働いていたように記憶しているのですが、ここではおじさんが一人働いているだけでした。
とりあえず、鶏天丼を注文して、店内で食べました。おじさんは暇だったのか、「どっから来たの?」と話しかけてきました。
この旅ではこのワードをよく聞きます。色々話した後、東能代周辺の現状についても聞きました。
「ここらへんもイオンができれば便利になるんだけどねぇ」と言っていました。聞くと、どうやら建設自体は決定しているものの、まだ着工はなされていないようです。
確かに、イオンができれば昼食を探してこんなにひもじい思いをしなくて済みそうです。しかし、便利になる一方で、ほっかほっか亭なんてあっさり潰されてしまうのではないでしょうか。「便利になるんだけどねぇ」なんて悠長に言ってていいのでしょうか。
そんなことを思っていると、「これ、サービスです」と味噌汁ももらっちゃいました。こういうあったかさに触れると、泣きそうになります。
ありがたくいただき、駅に戻りました。
待合室には、先ほど以上に人がいました。そろそろ電車が来るとのことで、みんなホームにぞろぞろと行きました。能代高校の子たちは2人だけがホームに。1人は近所なんですかね。彼女たちは部活と、駅の待合室での会話が青春の思い出になるんでしょうね。
電車に乗ってて思ったのですが、秋田の人はやはり総じて美人が多いような気がします。多分、肌が綺麗で、それなりに顔が整い、何より小顔でスタイルが良い人が多いんだと思います。
【2016年12月】岩手・青森・秋田・山形Ⅳ(弘前市)
いざ弘前へ
弘前へ行くため、三内丸山遺跡を後にし、バスで青森駅に行きました。田舎の鈍行は中々本数がないので、弘前までいく電車を1時間くらい待って、弘前へ。青森は4時半を過ぎると本当に夜になります。暗いので、車窓も楽しめません。
2chのまとめサイトを見るという生産性が全くない作業をしている内に40分ちょっとで弘前に着きました。
弘前のホテルは安いところを予約していたので、その分、少し遠かったです。でも、けっこうちゃんとしたホテルでホッとしました。
夕食を求めて
夕飯を食べようと思い、ホテルの中にあるレストランに行ったところ、なぜか閉まっています。日曜祝日以外やっているはずなのに変だなぁと思いながら、フロントに聞くと、「今日は祝日なので閉まってるんですよ」とのこと。
何を言ってるのかよく分からなかったのですが、よーく考えて気付きました。
今日、天皇の誕生日じゃん!!
平日、平日と考えていましたが、祝日だったらしいです。今日は祝日なのに、酸ヶ湯温泉も三内丸山遺跡もあれしか人がいなかったわけです。青森の観光産業、やばいんじゃないかな。
仕方ないので、ネットで弘前のグルメを探しました。しかし、ホテルが駅から離れているので、目ぼしいものがありません。そこで、ホテルのインフォメーションの冊子で紹介されていた食堂に行くことにしました。
思った以上にさびれていてびっくりします。半端ない場末感です。
しかし、入ってみると、芸能人のサインや写真、それに加えて「美味しんぼ」にも描かれた店とのこと。
津軽そばを頼むと、店主から「どこから来たの?」と聞かれたので、「東京からです」と答えました。
すると、「わざわざ遠方からぁ」と言って、厨房からヤキ干しなるものを持ってきてくれました。話によると、煮干しが生の時点で首と内臓を取り出して、焼いたものらしいです。手間がかかっている分、煮干しの4~5倍の値段がするらしいです。
麺も普段のそばとは違う作り方をしているそうです。
そばが運ばれてくると、お盆の上にそばの入ったどんぶりの他に汁が入った小皿も置かれていました。
少し食べたら味を変えるためにどんぶりに入れるのかなと思ったのですが、「そっちの汁は煮干しでとって、普通に作ったつゆだから、飲み比べてみて」と言いました。
違いの分かる繊細な舌なんか持ち合わせてないと思いましたが、飲み比べてみると、確かに全然違いました。
そばはめちゃくちゃ美味しかったですし、びっっくりするくらい安かったことに加え、このようなサービスや説明までしてくれるなんて、素晴らしいお店でした。場末の食堂はたまにこういうことがあるからいいよなぁと満足して、ホテルに戻りました。
特に大した夕食は食べないと思って、カメラをホテルに置いてきたことを後悔しました。
弘 前 城
朝、カーテンを開けると、眼下には雪景色が。ホワイトクリスマスです。
雪景色といっても、数センチ積もっているくらいなので、30分も歩くと、弘前城に着きました。ホテルは弘前駅から少し距離がありますが、弘前駅と弘前城の中間にあるので、チェックポイントとしては良い感じです。
水墨画のようです。
少し歩くと、桜で有名なお濠もありました。
まぁ、12月なので、お濠の水が凍っていました。ソメイヨシノの枝には雪が積もっていて、雪桜になっていました。冬の城としては完璧な景色です。
東門から入ると、「どこから来たの?」とおばさんに声をかけられました。
首にカメラをかけていたので、あからさまな観光客には声をかけやすかったのでしょう。
「あ、東京です」というと、弘前城の他に、弘前の観光マップまでくれて、弘前城の観光ポイントを教えてもらいました。
お礼を言って、一人弘前城内を歩きます。やはり市街地と違って、雪は少し深いです。雪を見越して、少し厚手の靴を買ったのですが、靴底だけでなく、布地の部分にも雪がどんどん付着していきます。
朝8時前に行ったので、足跡とかないかと思ったのですが、意外にも結構足跡があったのは残念でした。城内を整備している人たちもそこそこいて、そういう人たちが乗っているトラックの轍もあったりしました。
それにしても、雪のお城というものは風情があって良いですよね。
十数分歩くと、橋の奥に天守閣が見えてきました。
橋を渡ると、天守閣に着きました。
弘前城は有名なお城の一つなので、デカいのかと思っていたのですが、意外に小ぶりでした。現存天守といえど、小さい天守はちょいちょいあります。
宇和島城とかも天守は小ぶりですしね。まぁ、あそこは城郭も小さいですが、弘前城は城郭自体はでかかったです。
これで、現存天守12城のうち、9城を攻めたことになります。
季節的に天守閣には入れなかったので、このまま弘前城を後にします。行きと同じ道で帰るのは芸がないので、多少遠回りしても違う道で帰ります。
やはり、ソメイヨシノはいいですね。冬でも雪とペアを組むだけで良い味がでます。
しばらく歩くと、出口の大きな門に出ました。大きな記念碑に「弘前城」と彫られていました。どうやら、ここが入口のようでした。
1時間弱寒空の下を歩いて、弘前城を楽しみました。これで現存天守の4分の3を見に行ったことになります。あと3つ!!
【2016年12月】岩手・青森・秋田・山形Ⅲ(青森市)
青森市街地観光
まったり朝ごはんを食べた後、青森駅周辺を観光しました。青森駅の北側は海に面しているので、ウキウキします。
近くに、八甲田丸という青函連絡船がアニバーサリーシップがあるそうなので、行ってみることにしました。
アニバーサリーシップということだったので、横浜の日本丸的な感じなのかと思っていたら、もっとごつく、そしてデカかったです。
9時から中に入れるとのことだったので、入口付近まで行ってみたところ、まだ準備中でした。もう9時から15分経っていたのに。そういう田舎ののんびり具合は好きです。
まぁ、500円というのは高いので、そもそも入る気はなかったんですけどね。
そこから、更に北へ歩き、プロムナードのようなところまで行きます。結構先の方に下北半島があったので、水平線は見えませんでした。
てか、雨降らないなら、下北半島行けたじゃん・・・と、思いました。
それから、また駅前に戻り、ワ・ラッセというねぶた祭りの記念館のようなものに行きました。10時からバスに乗ることを考えると、30分しかありません。そのために600円も払うのは馬鹿らしいかったので、お金を払わずに入れるところまで入りました。その限りでなんとかそれっぽい写真を撮ることは頑張りました。
中々上手く撮れたのではないかと思います。ただ、ねぶた祭りは、いつか本物を見たいと思います。
お金を払わずにワラッセを楽しむのにも限界があったので、ワラッセをすぐに後にし、バスの待合室で時間を潰してからバスに乗り込みました。
向かうは酸ヶ湯温泉!!
酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉は、毎年毎年、異常な積雪量を記録してニュースに取り上げられますよね。えげつない積雪を誇るだけあって、かなり山の中にあります。八甲田山を登っていきます。
青森といえど、ここ数日は暖かかったのか、市街地の方はあまり雪が積もっていませんでした。しかし、山を登っていくにつれて、どんどんを雪深くなっていきます。風も強まっていきます。
まぁ、晴れ間もあったので、車窓から見る限り、あまり遭難しそうな感じではありませんでしたが。
1時間40分ほどバスに乗ると、酸ヶ湯温泉に着きました。さすがにここまでくると雪は1m以上積もっていました。
看板やガス管が埋まってる・・・・。
「求めていた冬感はこれだよ!」と、ちょっと嬉しくなりました。
入口周辺は雪かきがされていたのか、雪に埋もれていなかったので、問題なく中に入りました。
温泉は乳白色で、少し緑がかっていました。酸性が強く、温泉に浸かっていながらにして、多少の疲労感を感じるのが、とても心地よかったです。
(引用:http://www.sukayu.jp/bigbath.php)
温泉内部の写真は撮れなかったので、施設のホームページから引用しました。
大浴場は中々雰囲気もあり、良い温泉リストに酸ヶ湯温泉が追加されました。秘境感がいいですよね。平日ということもあり、人も少なかったので、とても良かったです。
それから温泉宿でお昼ごはんを食べたのですが、食堂の窓から外を見ると、ガンガンに吹雪いていました。
現金なもので、下北半島に行かなくて良かったと思いました。
そうこうする内に、お迎えのバスが来たので、乗り込みます。吹雪の中の八甲田山は、いかにも遭難しそうでした。
本当なら、八甲田ロープウェー駅前で降りて、ロープウェーで山頂まで行き、樹氷でも見ようかと思ったのですが、強風のためロープウェーは運休という悲しい事実に直面。
しかし、ここで柔軟性を見せます。
そうだ、三内丸山遺跡に行こう!!
三内丸山遺跡
市街地まで行けば、もう雪も止み、小雨がパラパラと降っているだけでした。バスが三内丸山遺跡で降りたのは自分ひとりだけでした。ていうか、そもそも観光バスなのに、行きも帰りも乗っていたのは4人くらいだったんですけどね。さすが平日に青森くんだりまで悠々自適に観光する奴なんかそういるもんじゃないなぁと思いました。
三内丸山遺跡は、しょぼい受付を通って少し歩くと、地平線まで見渡せる広大な土地に遺構が残っているだけかと思っていたのですが、さにあらず。
なんか、デカくて綺麗な建物がありました。意外に整備されているもんだと驚きました。
建物に入って少し進むと、トンネルがあり、そこを抜けると、三内丸山遺跡でした。意外なのは、お金を取られなかったことです。
それなりの市街地の中に遺跡はあるので、地平線は全くありませんでした。まぁ、広いっちゃ広いですが、思った程ではありません。ただ、市街地ほど人の出入りがあるわけではないので、通り道以外には雪が積もりに積もっていました。見る場所によっては、一面雪景色でした。
そして、笑っちゃうくらい人がいません。さすが平日です。
案内にしたがって、復元された当時の住居や建物の見学をします。
文明人としては、こんなおうちに住みたくはないですが、1万年以上、こんな感じの住居に住み続けてたんですよね。ギリシアとか中国とかはもっといい家に住んでたと思うのに、情弱ですよね。
三内丸山遺跡の一番の目玉ですが、「ほー」という感想しかありませんでした。
高床式倉庫は風通しを良くすることとネズミの侵入を防ぐ意味があると習いましたが、冷静に考えると、こんなクソ寒い地域でネズミは生きられないのではないかと思います。
よくよく考えると、柱のあった穴の跡とか、囲炉裏っぽい穴だけから研究者は建物を想像したわけですよね。想像力が逞しすぎませんかね。実際は全然違う建物だった可能性があるなぁと思いました。
もし本当に縄文人があのような建物を建ててたとしたら、中々すごい技術ですよね。こんなところに住めないと言いつつ、2016年に生きていてもあんな建物は作れないので、5000年以上も前の人に完敗することになります。
ウダウダと20分くらいかけて遺跡を見回った後、資料館のような所に行きました。土器や石器や土偶が展示されていました。これらにしても、形状やその他の傍証はあるものの、その使い方については、やはり学者の想像に過ぎないんだろうなぁと思いました。
多分、将来、トレーディングカードが発掘され、文献が何も残っていなかったら、祭祀の道具として使われたと考えられる可能性がありそうだなぁとか思いました。
大して楽しめないだろうと思いましたが、意外に楽しめましたね。
近くに青森県立美術館もあると聞いたので、あのウニョーンとした犬でも見に行こうかと思ったのですが、ちょっと面倒になったので、そのままバスで青森駅まで戻りました。